うつ病の国際診断基準「ICD」の症状評価項目と重症度診断

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珍しい病気ではなくなってきているうつ病ですが、このうつ病の判断基準をみなさんはご存知でしょうか?

今回はうつ病の症状や原因と、判断基準になる「ICD」について紹介します。

うつ病の症状は?

うつ病になるとまずは心の面に次のような症状があらわれはじめます。

  • 抑うつ気分
  • 興味、喜びの喪失
  • 意識の低下
  • 罪悪感
  • 不安症

うつ病になるとこういった気分の沈みややる気の低下が症状としてあらわれるのは有名かもしれません。

しかしこういった心の面にあらわれる症状がきっかけとなって、体にも様々な症状があらわれてきます。

  • 睡眠障害
  • 食欲の減退
  • 動悸、息苦しさ
  • 喉の渇き
  • 疲労感、倦怠感

特にうつ病になってしまった多くの人は睡眠障害を患ってしまうことが非常に多く、毎日十分な睡眠をとることができず、さらにうつの症状が悪化してしまうことがあるのです。

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うつ病となる3つの原因

心だけでなく次第には体にも悪影響を及ぼしてしまううつ病ですが、うつ病になってしまう原因は大きくわけると3種類あります。

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原因1. 自分の内側に存在する原因

自分の内側に存在する原因とは、性格や考え方のことです。

性格や考え方はひとりひとり異なりますが、いくつかの種類に分類することができます。

そして、几帳面、生真面目、責任感が強かったり、考え方が否定的だったりする場合は、うつ病になりやすい傾向にあります。

【関連記事】真面目で几帳面な人がなりやすい?うつ病発症のメカニズムとは

原因2. 自分の外側に存在する原因

自分の外側に存在する原因とは、主にストレスのことです。人は生きていく中で様々なストレスを受けています。

  • 人間関係や仕事で生じる精神的ストレス
  • 体のゆがみが原因で発生する構造的ストレス
  • 栄養素の過不足で発生する化学的ストレス
  • 温度や湿度のストレス

こういった様々なストレスを過度に受けることで、自律神経に乱れが生じうつ病になってしまうのです。

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原因3. 遺伝による原因

上で紹介した体の内側と外側にある原因もそうですが、遺伝によってうつ病になる確率が高くなるともいわれています。

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うつ病 icd
このようにうつ病の症状や原因は、世間一般で考えられている以上に多岐にわたるのです。

ICD-10とは

うつ病は誰でもなりうる病気ですが、病気かどうか判断する基準になるのが「ICD-10」と呼ばれる診断基準です。

これは世界保健機関(WHO)が作成したもので、うつ病に限らずあらゆる疾病の判断基準がまとめらたものとなっています。

ICD-10の他にアメリカ精神医学会が作った「DSM」と呼ばれる精神疾患の判断基準をまとめたものがありますが、日本の厚生労働省はICD-10の使用を推奨しています。この国際基準を使うことで、うつ病の診断結果になるべくバラつきが出ないようにすることができるのです。

ICD-10では、次のようなうつ病診断の症状評価項目が設けられています。

【大項目】

  • 抑うつ気分
  • 興味と喜びの喪失
  • 易疲労感の増大と活動性の減少

【小項目】

  • 集中力と注意力の減退
  • 自己評価と自信のなさ
  • 罪責感と無価値感
  • 将来に対する希望のない悲観的な見方
  • 自傷あるいは自殺の観念や行為
  • 睡眠障害
  • 食欲不振

書かれている症状が2週間以上続いている場合は該当する項目にチェックをつけて、その数でうつ病の重症度を診断します。

重症度は次のように変化します。

【チェックの数】

  • 大項目2個+小項目2個ならば「軽症うつ病」
  • 大項目2個+小項目3~4個ならば「中等症うつ病」
  • 大項目3個+小項目4個ならば「重症うつ病」

となります。

ただしこれはあくまで診断の目安であり、実際にはこれを含めて個人個人の症状を専門医がさらに見極めることで、本当の診断が出ます。

ICD-10は病院などで用いられているうつ病の判断基準です。しかしこれは専門医が正しく使うことで、はじめて正しい診断ができます。

自分がうつ病かどうか気になるという人は、自己判断で終わらせずにしっかりと専門医の診断を受けるようにしましょう。

まとめ

  • うつ病になってしまうと睡眠障害を患ってしまう人が多く、さらにうつの症状が悪化してしまう傾向があるようです。
  • うつ病の原因には【自分の内側】【自分の外側】【遺伝】の3つがあります。
  • うつ病には【ICD-10】と呼ばれる診断基準があります。しかし自己診断で終わらせずに専門医の診断を受けましょう。